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2017-02

トランプ大統領就任後 < 日系事業とビザへの影響 II > トランプ大統領はテロ対策を理由に中東やアフリカの7か国の国民の入国を停止し、『強力な国境管理が必要』などと正当性を主張。これを受けてアメリカ各地の空港では、永住権やビザがあるにもかかわらず、入国できず、拘束される人が相次いており、イランなど7カ国の市民も90日間入国させないといった内容。など日々報道で騒がれています。日本人のビザの取得に対しては様々な噂は広がるものの、特にビザ面接、赴任者のビザへの影響は確認されていません。NAFTA、TPP問題、国外工場移転会社への忠告等、すでに規模が大きい日系企業への影響が出始め、下請け、中小企業もその影響を探りながら北米事業を注視している状況が続きます。 株/為替からの影響 ~貿易事業への影響~ 2016年は、年初から円高が進み、100円を切る前後で推移しました。11月の選挙後一変し、一時124円前後のドル高が進み、現在は115円を基軸に様子見の状況です。トランプ政権のハネムーン期間(政権交代後の新政権の最初の100日間)と日本企業の円安による業績向上によって、2017年4月までは最近見せたドル高/円安基調の頂点、125円越えを挑戦する相場が続くと思われます。 トランプ大統領とFED(連邦準備制度/Federal Reserve System)との関係は然程懸念されていないことから、輸入インフレの抑制、金利高基調では同意を暗黙で両認している傾向が見受けられます。 米国輸入を主(ドル売り)としている日系企業にとってはプラス。逆に輸出(ドル買)を主としている日系企業は早期の為替予約をお勧めいたします。2017年度は10-20%程、為替差損/利益が予想されるでしょう。 会社の立上/M&A – 買収/売却  トランプ大統領決定を機に、米国事業の在り方にメスを入れ始めている会社が目立ちます。 大企業は調査/様子見の中、中小の会社オーナー方は好機会と先読み米国企業との合弁・買収を通じて強化・進出をされる会社の話が増えております。会社を立ち上げ、資本金/駐在員を送り、芽が出るまで3-5年待つご時世ではないときっぱり言い切る方が増えました。 20万ドル前後(小売、インターネット、飲食、貿易)~30億($30m)程度の案件を希望される、興味を持たれる商機が来たと言えましょう。 会社を立ち上げ、資本金/駐在員を送る策ですと(利益無しと仮定)、5年で平均約$60万ドル(6千5百万円)の浪費の計算。30-40万ドルで会社を買収、年間10万ドルの利益が出ていれば単純に6年(税引前で)プラスマイナスー$0でキャッシュを生む会社を継承できる。と言う事になります。 小売・飲食業は10-20万ドル前後、貿易会社は$30-60万ドルで売買されている日常です。貿易/投資ビザも可能性が即広がります。 ビザの取得への影響 『ビザ/永住権取得』  先に述べたように早々に空港では強制追放が行われています。では就労ビザの規制はどうなるのか? 国益に繋がるビザであれば、発行/滞在の延長は友好的に見られ流でしょう。その例としては、 1)利益が出ていて税金を高い率で払っている 2)資本金が多く、多額の投資、雇用を生み給料/賞与が多額に払われている。 3)利益が出ていなくても潤沢な資金の流動性が高い(お金を回している) そのような事業では“ビザで取得での優位性”となるでしょう。 社長格での永住権取得は過去1年内で取得可能でした。通常のビザからの取得は3-5年。それが数年は余剰の時間を要す事となり、難易度も増す事と予想されます。それを加速させるのは上記の1)-3)が要因と成り得るでしょう。 輸入から米国内製造への転換 『強いアメリカ』とは、1-雇用、2-消費、3-インフレが軸となります。 それに対し日系企業が安心して米国で運営維持する為には、①採用/製造/技術開発、②報酬/賞与増/安定した雇用/休暇/社会保障、③住宅/車、耐久財の購入増が重要となります。 新政権は米国内での製造/産出を重要な戦略の一環としており、日系企業への影響は以下などが予想されます。◉ 車/食材/精密品/家電/建設財等々の輸入が規制される傾向に向く。◉ 米国内での米国人の製造や研究の人員研修教育を強いられる。 そのように日系企業はアメリカ国内で購入/製造(外注)へ徐々に転換できうる現地法人の経営策を検討する必要があるでしょう。質、機能が多少落ちても米国内ではMade In America品を優先して購入されることは間違いなく、『雇用を生み、給料で物を買う』、『住宅は値上がり、耐久財も買われる。』そのサイクルを大きくすることが”強いアメリカ“とする政策です NAFTA, TPPの規制/撤廃で日本は勿論、カナダ、メキシコ産も制限されることでしょう。 飲食も米国で受け入れられる食材に変換が求められるかもしれません。 日本の良さを生かしつつ、米国内での変換が求められる中、日系企業の米国で新たな経営手腕が迫られています。   […