Silicon Valley

サンフランシスコ・シリコンバレー
ベイエリアの市況2020年1月
半導体、ゲーム、製薬・バイオ、物流、デジタル、ユニコーン産業

湖北省武漢市で報告されている新型コロナウイルスに関連する肺炎が中国から世界に広がる恐怖をもたらしている中国の今。米中関係で一旦合意を見せ、欧州との貿易協議に乗り出すトランプ政権、先の大統領選挙、などの情勢の中、世界マネーは行き先が無く、安定している米国資本市場に集中している。アメリカの桁外れの年金資金は本来国債、州・地方債に主に流れるべきだが、低金利の情勢でPrivate Equityやベンチャー市場に流入し続けている。その2—3割近くがこのサンフランシスコ・シリコンバレー/ベイエリアに集中し続けている。

半導体企業の収益率/株価:
Applied Material, KLA, Texas Instrument, Intelの主要企業の株価は昨年以来、全社ほぼ倍以上に上がっている。株価収益率(PE)の先行きを予測する数値は15−25倍程度内におさまっており、株価は上がりすぎではあるが、期待値は異常な数値を見せてはいない。
それらに従事している社員は、解雇/減俸される気配もなく、長期の海外旅行、豪華クルーズの旅、住まいの買い替えなど楽観的な気配が漂う。
一方、それら以下の中規模半導体企業は破綻や経営難に陥っている先は見受けられる。勝ち負けが鮮明に出ている。
景気が悪くなるリスクより、景気が良くなり続ける際の“乗り遅れ”リスクが勝者を決める時期に迫ってきた。日系事業者が最も不得意とした経営判断といえる。増産/受注増の際の設備投資リスク判断力である。

製薬/バイオ:
新薬の新企業が立て続けにSOUTH SAN FRANCISCO, SAN MATEO, REDWOODCITY界隈に立ち上がり、上場/売却/買収を繰り返している。肝炎、がん、痴呆症の薬、細胞の研究に特化した話はこの界隈では後を絶たない。SOUTH SAN FRANCISCOの商業地区の開発でこの10年で街は様代わりしている。住宅も$70万ドル程度だった一軒家も今や$1.5m程度まで上昇。
このような現象はバブルではなく、今までに無い効率化景気と言われている。過去3−5名で行う新薬の研究は今や1名でできるようになり、データの採取も政府機関のデータが解放されつつあることでその時間も短縮されている。世界市場を独占し続ける政府の後押しである。

製造業/物流:
規模が小さい段階では日本より輸出、米国へ輸入し、営業/宣伝、販売。売上10億円を界に米国製造、あるいは組み立や梱包として米国製としての経営を考えなければ中長期的にこの国で成長し続けることに限界を感じることです。駐在員のビザも余程の現地雇用を産まない限り支社長のビザも更新できなくなる実情。
日系の食品/物流企業も昔はSOUTH SAN FRANCISCOに所在していた時代も終わり、今はEAST BAY。商量の減る一方で拠点を閉鎖するメーカーや物流会社も。
どこで作り、どこに保管し、どうやって売るか? 10−20年前と同じ方法をとり成長続けている企業いないはずです。

ユニコーン:
原則、ユニコーンと言われる企業は物を作らない。社会の流れを変える新産業帯。ソフトバンクビジョンファンドは決して苦境に陥っているのではなく、その産業のあり方に立ち向かっている唯一の日本企業。NETFLIXやAMAZON社は徐々に自社で映画製作や自社ブランで市場を獲得している。今やハリウッドに肩を並べるデジタル映画/コンテンンツ製作会社である。
映画館の興行収入やテレビの視聴率でその売れ行きを見るのではなく、モバイル/タブレットでどこでもその傾向と数値が見れる経営を営んでいる。
AMAZONやUBERやAIRBnB 等はその瞬間に人の行動を検索できるだけではなく、次の手段が判断もされて、結果に繋げているのである。
製薬などと同様に、過去5−10名で行ってきた仕事が1−2名で可能となる。

新たに建設される学校
シリコンバレーの広大な敷地に三校学校が建設予定。外国人労働者とその家族が今後も増え、まだまだ発展する未来が予想できる。

人口の流出と流入:
街を見ていると住宅/商業共に建設ラッシュのエリアが目立つ。
一方、ホームレスが目立つ。また引っ越しを考え、カリフォルニア州から他州に引っ越す人口の流出も目立つ。
その理由はこの地で労働生産性が上がり、優秀で世界に通用する技術、能力、ノウハウがなければ新規流入者は生き残れないからである。それが金銭的にも社会的にも可能な人がこの地に流入、あるいは留まっていると言える。
物、人、物流、で測るのではなく、情報・データ、効率化の世界にこの10年は突入した、そんな時代である。営業、面談はデジタルの時代である。

M&A、売却、上場、提携・合弁JV等々で10年以上経験され、結果を出してきた人材、会社は少ないと思います。常々、結果を出した方、会社とお仕事をされますよう心がけてください。