M&A成功企業

昨今日本では継承問題が台頭しM&Aが話題となり、M&A仲介企業名・社名を頻繁に見聞きする機会が増えている。
M&A自体の手法は19世期末期、株式会社制度が盛んになり、西洋企業社会で目立つ様になった。エジソンの電気発明のから始まり、自動車のフォードなどの産業構造に大変革が起きる時代には特に目立つ。20世期末期にはインターネットが台頭、21世期に入りデジタルの変革で、同等の変化が世界レベルで起こり、今や日米も時差や文化の隔たりは無くして成長を考え抜く時代となった。
日系企業では、サントリーHDのビーム/Beam社、パナソニックのブルーヨンダー/Blue Yonder社、AGC(旭硝子)のキネストラル/Kinestral Technologies社(Halio Inc.)や、日本板硝子(NSG)の英国ピルキントン社/Pilkington plc、日本電産(株)のロボテック社(Roboteq, Inc.)やワールプール社コンプレッサ事業エンブラコ/Embracoなどは日本企業が世界(主に北米)にて自社特化の産業・市場でのM&Aを重ねて時間と効率をプレミアムで傘下に収めた例である。
上記は成功事例の大型M&Aであるが、いずれも幾つかの共通点がある。

M&Aの責任

M&Aは様々な事柄で案が浮かび、案件が紹介され、判断につながる。市場、産業の調査報告書やビジネスプランは重要であるが、最終的な判断は、『誰が売り、誰が買い、どの様な思いでM&A自体が判断されたか』が重要である。そしてM&A後の経過で当初関わった人員にどの様に影響を与えているのかである。
パナソニックのブルーヨンダー買収は買収先のCEOが株主から絶大な信頼を得ていることで、株主は上場ではなくM&Aの手法(EXIT)を選択する経緯となった。日本電産社の世界でのM&Aは言うまでもない、永守創業者の長年の哲学に及ぶ判断である。”『回るもの、動くもの」に特化し、技術・販路を育てあげるために要する「時間を買う」という考え方に基づき行っています』”とM&A哲学をホームページに記載している。

鍵を握るのは決行する担当者

M&Aを判断する人間が、決行(M&A先企業に入り込んで最低2-3年)する人間と、その結果が出るまで意思疎通を取り続ける事が重要である。
特に本業との連携を重視するM&Aであれば、本社のトップ/事業との連携が鍵を握るケースは多い。例えば、本社の製造製品の一部製造拠点や、次期技術開発をする拠点/企業の買収、米国買収先技術を日本市場に導入する際(の戦略)など、買収先の企業に入る総責任者は途中での人事異動は避け、結果が出るまで専任であるべきである。欧米のM&A思想では1-2年以内に結果を出すことを求められる。
日本の社会では結果ではなく、プロセス・段階での人事が評価されるだけのM&Aが多い。
日本でしか作れない物、日本人にしか出来ないものは、世界に数多く存在する。西洋市場に合わせるのではなく、東洋の技術を西洋で高く売る発想である。
日系企業の北米進出の多くは、土地と人件費の安い地域に製造拠点を持っている。製造工場を外注して生産をする時世である。世界の(稼働率悪化で企業は手放す)工場を買取り、自社メーカーに拘らず、製造を業種毎に集約化し、またその事業を売却して大儲けをする投資家ファンドの時代である。製造業のラインを読み熟し、儲けネタとするファンドである。

北米市場で困難なM&Aの掟

1、日本で経験、市場、顧客を持っていない業態・業種へのM&A
2、経験がない事業への新規参入。初期は提携・ライセンス契約などで市場・企業を見極める事。
3、担当者は規模に関わらず、判断責任者とM&A決行企業担当(買収企業で働く方)の二人であるべき。他、専門分野で関わる・出向する人数はケースバイケース。

規模に関わらず、企業・事業の売却、清算、買収、合併など運営の方向転換に関して、まずはご相談ください。

その他の事例やM&Aをする際のポイントについては「アメリカ (米国) M&A・企業買収 | 成功の4つの秘訣と成功事例」をご参照ください。